2010年11月3日水曜日

住んでみたいなシチリア

ナポリから夜行フェリーでまだ朝の暗いうちに到着。
夜明け前の暗い街の中を前後にリュックを背負いカートを引く僕ら。
シチリアというと
「シチリア→ゴッドファーザー→マフィア→治安が悪い」
となりがちだが、はっきり言ってナポリに比べたら遥かに治安がイイ。
というより、普通過ぎる。それは、到着したパレルモが州都だからかもしれない。
さて、シチリアはゴッドファーザーの印象が強いかもしれないが
ニューシネマパラダイスがある。
いや、こちらの方が本領か。
四国より大きく九州より小さい島で、映画界の傑作2作品がロケ地となってる
シチリアはやはり人の心を打つ土地なのかもしれない。

パラッツォ・アドリアーノ。
朝6時半のバスでパレルモから2時間半。一日にたった3便。
澄み切った空気の高原はひんやりしており、とても
ニューシネマパラダイスの情熱とはかけ離れた寒村だった。
それでも昼過ぎには気温も上がり人の往来も多くなった。
村の中央広場には車で八百屋や魚屋が店を出し、近所の人が
買い物に来る。
この村には観光資源等はない。
にもかかわらずニューシネマパラダイスのロケ地である旨の表記も
それを売りにしたお土産だったり、目印だったりが全くない。
ネットで調べてた通り、ツーリストインフォに行くと(この表記もなし)やっと
ニューシネマパラダイスの撮影の写真やら撮影に使った
自転車やカバンやフィルムなどを見せてくれた。

恐ろしくも時間の流れが遅い村で、めちゃくちゃゆっくり昼食を摂ったが
まだまだ時間があまる。
仕方なく近所の爺さんをからかう。
よくいるのだが、全くこちらが現地語を知らないのに、どんどん喋ってくるパターン。
そこに暇してる八百屋も入ってくる。
その八百屋の兄さんが爺さんのことをトト(ニューシネマパラダイスの主人公の子供)だと冗談を飛ばす。あの頃は若かったと。
結局その八百屋のアニキ二人にりんご二つと柿二つをもらった。
ちなみにイタリアで見る柿は熟れ過ぎな状態で触るとブヨブヨな手触り。
それを皮ごと食べる。これが熟れた柿と干し柿の中間のような味がする。
更にイタリアで何故か柿は「カキ」と呼ばれている。
発祥と語源はどこよ?
パレルモからバスで2時間半で東のカターニャ、シチリアの第2都市へ。
僕はその国や州の二番目の都市が一番面白いと思ってる。
首都などは整いすぎたり真面目すぎて面白みに欠けるような気がする。
第二都市は、猥雑で民主的で公に屈しない気概があるような気がして親しみ易い。
例えば、北京より上海、ハノイよりホーチミン、バンコクよりチェンマイ、
ベルリンよりハンブルク、マドリッドよりバルセロナ、東京より大阪?

カターニャも特に観光資源はない。
ただただ庶民的でその市場は、この旅で見てきた市場では最高に
活気のある市場だった。まるでアジアの市場をみるかのように
売る側も買う側も「気」が入っている。
年末のアメ横みたいなもんだ。
市場は得体の知れない野菜もたくさんあり、肉はヤギのむき身か?
ってな恥ずかしい位の動物の裸体がぶら下がってたり。
港を持つだけあって魚介は豊富で、ウニ、アワビ、牡蠣から
太刀魚やらイカやらカジキやら。
なんつったってカタツムリも売っている。
もうベタベタな下町である。

このカターニャには観光資源はないが、この街からバスで1時間から2時間前後でいくつかの観光名所に行くことができる。
例えばこの小さな島シチリアには3000メートルを超えるエトナ山がある。
その麓であるタオルミーナにバスで片道1時間ほどで行ってきた。
ここは夏場はリゾートらしくバスから見た海はとても穏やかだった。
どう考えても寒いであろう10月も末に、アホみたいに海に浸かる西洋人も見かけた。
ここも海鮮が名物で特にウニのパスタはお勧めらしい。
ってことで食べてみたが、ウニが少なく普通に海鮮パスタの方が美味かった。

食べ物といえば、このシチリアはB級グルメの宝庫だ。
きっとちゃんとしたレストランや食堂に行けば立派な食事が
出てくるのであろうが、何分それだけの甲斐性はないのでB級なのである。
シチリア料理は、イタリア本土の人も一目を置くほど料理は美味く、
更には安いということらしい。
B級グルメ、まずはパレルモで食べた脾臓バーガー。
いわゆるホルモンバーガーみたいなものか。
これ普通に美味かった。
バーガーに鍋で炊いた脾臓のスライスとお好みでチーズを加えただけ。
これに岩塩をかけたら最高だったのにと感じたな。
これ日本でやったら儲かります。
続いてカターニャで食べた馬肉サンド。
焼かれた薄い馬肉がバジルとローズマリーとビネガーで味付けされて
臭みが全く無いサンド。別に美味いってほどでもない。
アランチーノ。
店によって味が少々異なるが、僕はとても美味しかった。
トマト味で(またはトマトソースが入ってて)チーズが入ってるおにぎりを
揚げたもの、とでも表現すればいいか。1個1.7ユーロでお腹いっぱいなので貧乏な僕らはランチにピッタリ。
これ日本でも流行ります。

この他、シチリアには発祥のジェラート(確かに美味かった)やリモンチェッロ(これまた美味かった)というレモン味のリキュール、岩塩など名産がたくさん。
さらにシチリアの水は水道水でも飲むことができるらしく、噴水や湧き水が垂れ流されてて山からの湧き水だと聞いた。
ま、僕らは長旅でお腹を壊したらいけないので遠慮したが。
というのも、この旅に出る前に、僕が大好きな田中泯さんに最後にもらった言葉は「水に気をつけてね」だったのだ。
わざわざ民の字にサンズイつける人だし。
この人の言葉はいつも曰く付きだから・・・。
ちなみに泯さんにはアイスランドを勧められたが今回は行けません。

海も山も近いこの島は、南も西も行けなかった場所がたくさん。
山も海もある自然がたくさんで、地中海性気候の温暖な島。
海の幸山の幸と揃って人も穏やかで、住んでみるにはイイ島だと思った。
ただし、歳とってからかな。

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