2011年1月7日金曜日

中東の国境越え情報(2011年11月から12月頃)

中東の国境越え情報
国境越えの情報を記録したので、興味のある方は参考にしてください。


★国境越えの厳しい前情報
トルコからシリアへの国境を越えるのは、最近日本人に限って
難しいという話は聞いたことがあった。
噂ではイミグレーションでパスポートを渡すときに$10札を
挟むと、通されるなんて噂も聞いていた。

これは有名だがイスラエルに入国しパスポートにイスラエルの
スタンプが押印されていると、イスラエルと国交のないシリアや
レバノンには入国できず拒否される話は聞いていた。
この件についてはガイドブックにも書いてあるとおり、イミグレーションで
パスポートチェックの際に別紙に押印してもらうようにお願いすると
そのようにしてもらえると聞いていた。

さらにはトルコからシリア、シリアからヨルダン、そしてシリアに
再入国の場合は、イスラエルに寄った可能性が高いという判断から
さらに審査が厳しいという話も聞いた。

イランのビザ取得は困難らしく、入国もアライバルビザ頼みで
イランの空港に到着した日本人が、入国できずに帰国させられた
話も聞いていた。

それでも、やってみよう!ということで
トルコからシリア、シリアからヨルダン、ヨルダンからイスラエル、
イスラエルからヨルダン、ヨルダンからシリア、シリアからトルコ、
そしてイランへという、前情報だけだととても無理そうな
陸路国境越えに挑んでみた。

★トルコからシリアへ(2010年11月28日)
11月18日、イスタンブールの日本人宿ツリーオブライフで旅人から
得た情報によると、現在トルコからシリアへの入国はかなり厳しく
約50%が跳ね返されたらしい。また、$10札を挟む賄賂も
$20でも笑われて突き返されたという話を聞き、不安が募る。
しかし、11月24日パムッカレで聞いた情報によると、ここ数日は
90%の日本人が通過しているという好情報を入手。
11月27日アンタクヤに入り、ダマスカスまでのバスチケット(15リラ)
を購入し一泊する。
翌日9:30のバスで出発。ボーダー前で渋滞。
出国は難なく10:50通過。
入国はビザ代$28を支払う。入国カードを記入しスタンプされる。
質問は「どの街に滞在予定か」「滞在予定の日数」「仕事は何か」
「出国はどの国へか」だけで終了。
そのまま正直に答えた。
簡単な荷物検査を受け12:00に入国。
そのまま入国のバスのままダマスカスに16:30頃到着。


★シリアからヨルダンへ(2010年12月1日)
14:30ダマスカスからバスに乗りボーダーへ向かう(500SP)。
ボーダーに着くとバスの乗務員がある程度手続きの案内をしてくれる。
別の小さな建物で出国税(500SP)を支払い印紙をもらい
ツーリスト用窓口に並び、パスポートチェックを受ける。
再びバスに乗り出国し、ヨルダン側のボーダーでも
バスの乗務員が案内してくれた。
イミグレーションでは「滞在日数」や「滞在ホテル」などいくつかの
質問に答える。
あとはそのままバスで入国。アンマン到着19:30。


★ヨルダンからイスラエルへ(2010年12月2日)
ヨルダンはアンマンのマンスールホテルに宿泊し、朝6:30頃に宿を
タクシーをシェアして出発した。
バスは1時間ほどで到着し、8時から開くイミグレーションを待った。
出国手続きは①パスポートを受付に渡し②出国税(8JD)を払い
③スタンプを押印してもらう、の流れ。
②の出国税は当日または昨日にヨルダンに入国した場合は免除。
また③のスタンプはお願いしなくても別紙にスタンプされた。
(念のため「NO STANP」と申し出た。もし押されるとシリアは入国不可。)
ボーダー通過用のバスが9:00に出発し、そのままイスラエル側の
ボーダーへ。バス代は3JD。バスを一度降りて荷物検査。
10:30、入国審査場で大型荷物を預ける。続いてパスポートに
シールを貼付される。(このシールは出国時にキレイに剥がさないといけない。)
そして、10:45からイミグレーションで質問を受ける。
この際に必ず最初に「NO STANP」と言わないとダメ。
質問内容は「NO STANPの理由」「滞在先ホテル」「滞在日数」
「シリアでの滞在日数」「他都市への訪問予定」
「イスラエルに友達はいるか」
アンサーは、「シリアに戻ると正直に」「決まってなかったので
日本人がよく泊まる安ホテル」以下正直に答えたが、友達がいないと
答えると何故か怪訝な顔をされた。
11:00にはイミグレーションでスタンプを別紙にもらい通過。
わずか15分で通過。
同行した日本人男性は、シリアやレバノンの他、パキスタンの
スタンプもあったせいか、1時間以上通過できず、イスラエルでの
全日程などを書類に書かされたそう。
12:20出口そばの乗合バスで旧市街前(ダマスカス門前)まで
(42シュケル)。
当日別の日本人が「NO STANP」と言っても、スタンプされたという話を
数人から聞いた。いくら抗議しても全く応じてもらえなかったらしい。


★イスラエルからヨルダンへ(2010年12月4日)
10:10オリーブ山のイブラヒム・ピース・ハウスより5人でタクシーを
シェアしてボーダーへ向かう(一人50シュケル)。10:40頃着。
土曜と日曜はイスラエルからヨルダンに向かうボーダーが早く閉まる
という情報を得て、午前中に出発した。
大型荷物を建物に入る前に預ける。出国税は高く167.5シュケル支払い、
イミグレーションへ進む。イミグレーションでは「NO STANP」を
お願いする。5人のうち最初の一人がお願いすると「なぜか?」と
聞かれたが、受け答えできずにいると「NO STANP」で通してくれた。
全員「NO STANP」で通過。
ボーダー通過用のバス(3JD)でヨルダン側のボーダーに到着。
荷物を受け取り、イミグレーションでパスポートを渡しチェックのみ。
スタンプは押されず。(ここでも念のため「NO STANP」とお願いする。)
タクシーを5人でシェアしてアンマンのマンスールホテルへ(4JD)。
パスポートに裏表紙に貼られたイスラエルのシールを丁寧に剥がす。
これ大事。

★ヨルダンからシリアへ(2010年12月6日)
8:30頃マンスールホテルを出発し、セルビス(乗合タクシー)
乗り場まで徒歩。
9:15に4人を乗せたダマスカス行セルビスが出発。
ダマスカス行のバスもあったが、外国人はビザ申請で揉めたり
時間がかかることを理由に乗車を拒否されたり、ボーダーで
置いて行かれることがあるというので、セルビスにした。
料金は乗り込む前に交渉。セルビスのオフィスで前払い(10JD)。
パスポートのチェックがされる。
日本人は中国人や韓国人よりも通過しやすいらしく、歓迎された。
ボーダーでは、出国のイミグレーションではパスポートチェックされ
スタンプされるだけ。何故か出国税が免除だった。
入国は車内で簡単な荷物検査をされ、イミグレーションへ。
入国カードを記入し、パスポートと一緒に入国カードを提出し
トランジットビザを申請。
パスポートはくまなくチェックされた(恐らくイスラエルのスタンプが
ないか確認していたと思われる)
質問は特になかったが、入国カードにセルビスの車番を記入するように
指示された。
イミグレーションの直ぐ後ろのビザ代支払いブースにてトランジットビザ
$8を支払い再度イミグレーションにて入国審査完了。
タクシーで荷物検査を受け、入国。
13:25、ダマスカス到着。
当日さらに乗り継ぎアレッポまで足を延ばす。20:00到着。


★シリアからトルコへ(2010年12月7日)
アレッポからバスで国境を越えるつもりだったが、バスターミナルに
行くと、全くバスはなく聞くと20日前に移転したとのこと。
今から行ってもバスは少なくミニバスしかないと言われる。
仕方なくセルビスで国境を越えることに(500SP)。
10:00に出発し11:00頃にボーダー到着。
トランジットビザは出国税が免除になると聞いていたのだが
出国税の支払いをさせられた($13)。
入国時に記入した入国カードとパスポートを提出し出国完了。
トルコの入国は、簡単な荷物検査とパスポートチェックと
再度車内の荷物検査を終え12:00に出国。アンタキアに13:00に到着。


★トルコでのイランビザ取得(2010年12月13日)
トルコのトラブゾンにて月曜日朝9時前にイラン領事館へ出向く。
申請書を渡され必要事項を記入し、写真を1枚貼付。パスポートを
預けると、ビザ代振込先が書かれた用紙をもらう。
(ガイドブックには2枚とあるが、1枚で済んでしまった)
そして当日の15時に再度来るようにと。
指定の銀行の口座に50ユーロを振込む。
ドルでもリラでもダメ。ただ、銀行にリラを持ち込んで
領事館でもらった紙を渡せば、リラをユーロに両替して振込処理を
してくれる。その際その紙片にブロック体で名前を書きこんでおくと
スムーズに手続きが進む。
その振込控えを持参し、再度15時に領事館に行くと既にビザの
貼ってあるパスポートが手渡された。


★トルコからイランへ(2010年12月13日)
19:30トラブゾン発ドゥバヤズット行きのバスに乗る(45TL)。
到着は9時間後の予定だったが、雪道が一部あったためか到着は5:30。
ドゥバヤズットからボーダーのギュルブラックまでタクシーを
4人でシェア(5TL)。6:30頃到着。
ボーダーは徒歩で渡り車も使うイミグレーションでチェックを受け通過。
通過するとすぐに大きな鉄柵扉があるので開くと、そこがイランの
イミグレーションの入り口。
まずは建物に入る前に、兵士か警察によるパスポートのチェックを受け
建物に案内される。
「tourist infomation」と表記されるボックスに案内される。
そこの係官にパスポートを預け、いくつかの質問を受ける。
「滞在日数」「訪問都市」「出国後の行き先」「職業」「年齢」など。
続いてその係官に案内され次のボックス前で待たされる。
ゲートを通されると荷物検査場にて荷物検査。
聞いていたとおり、リュックは開封を指示される。もちろん他の
リュックやショルダーバッグやウェストポーチなど開かさせられる。
続いて、別室に案内され10本指の指紋の採取をされる。
それが終わると晴れて入国。
8:30イミグレーションの建物の外からバーザルガーンまで歩けるのに
うっかり目の前に停まってたタクシーに乗ってしまった(10000RIS)。
門を出たところから更にタクシーでマークーへ(50000RIS)。
10:20頃マークー到着。(時差修正)

★国境は、いらない
旅人にとって「この世に要らない物=国境」なんてカッコいいセリフが
あったりするけど、実際ヨーロッパを周遊している際に確かに楽だった。
というよりも、国境を感じることがなかったというのが実感だ。
バスや電車やフェリーで国を通過したり渡ってもイミグレーションが
なく、パスポートチェックすらない。
僕らはロシア経由でエストニアから北欧を回ってドイツに入った。
その後東欧を除くヨーロッパの国々を周りイギリスに渡る際に初めて
パスポートチェックを受けてスタンプを押された。
それまではスタンプの押印がなかったので僕らのユーロの旅は
パスポートの記録上ここから始まったことになる。
それくらい国境というものを感じさせないのがヨーロッパだった。
旅は東に流れ、旧ユーゴスラビア地域に入ると、電車の車内や
バスの車内でパスポートチェックをされるようになった。
やっと国境を越える実感が湧くようになる地域にやって来たわけだ。
それが、中東に入るとそれはもうスリルとなって快感を感じていた
かもしれない。
あの国境を渡る、しかも陸路で渡る、ちょっとヒヤヒヤするスリルは
ちょっと癖になるかもしれない。
入国したとき、なんだか変な達成感のようなものが沸き上がってくるのが
なんだか可笑しい。そして清々しい気分になるのだ。

国境って旅人には必要かもしれん。(でも、ビザ代は安くなってほしい・・・。)



0 件のコメント:

コメントを投稿