2011年1月17日月曜日

一ヶ月滞在してみたインド

イランのテヘランから飛行機でデリーにやってきたインド。
ニューデリーからタージマハルを見にアグラー、祇園精舎を探しにサラバスティ、ガンガを求めてバラナシ、エロい彫刻を見にカジュラホ、ブッダが悟りを開いた地にブッダガヤ、他のインドと違った都会のコルカタ、南インドのチェンナイと海辺のマハーバリプラム。

どこでも埃っぽくて、いつも糞尿の匂いやドブのヘドロの匂いだらけ。

足元には牛糞の地雷、カラスの空爆、ヤギ糞のクラスター爆弾。
街には野良牛に野良犬。豚にヤギに猿にドブネズミ。
うっとおしい物売りのオッサンやリキシャの勧誘とホテルの勧誘。
普通に10倍以上の値段をふっかけたり、お釣りをわざと少なく返す店員。
毎日がカレーと揚げ物ばかりの食事。
定刻に到着しない電車と乗車率100%をはるかに越えるギューギューの車内。
車内に砂ぼこりが吹き込み、運転の荒いバス。

どう考えてもインドにのめり込む人たちの気が知れない。
理由がわからない。


ま、糞尿にしても、毎日の食事にしても、乗り物にしても
慣れればどうってことないのだが。
カレーは何種類もあるし、店によって味がずいぶん違うしかなり奥深い。
僕は食事に添えられるアチャールという辛い漬物が大好きになった。
また、安いチャパティやパラタなんかも大好きになった。

勧誘は、じっとしている際に声をかけられたら、「シー」と人差し指を
立てると、もう声をかけてこない。ガイドの勧誘には英語がわからないと
言えば、もう勧誘してこない。

道を聞くときは、食べ物屋の店員か道を歩いている若い女性に声をかければ
大概余計なことを言わずに教えてくれる。

旅をしていると、当然ながら旅行者相手の商売人しか出会うことがないので
みんなウソをつくとか、ふっかけてくるとか、インド人の印象が
商売人の印象とイコールになってしまうが、けっこう一般人は
親切だったりする。
切符の買い方を教えてくれたり、通訳をしてくれたり、案内してくれたり。
電車の車内で、後から乗ってきた指定席のない僕らに席を作ってくれたり。

旅行者にとってありがたいのは、何と言っても物価が安いこと。
宿代は二人で一泊300ルピー(600円くらい)も出せば個室に泊まれる。
ご飯はフライドライスは30ルピーくらい。チャパティやパラタなんかは
1枚6ルピーくらいで、付けて食べるカレーが別に付いてきておかわり自由だ。
チャイもだいたいどこも5ルピー。かなり飲んだ。

ちなみに手作りラッシーは美味くて、そこのラッシー以外飲めなくなった。
それでも何故か大好きにはなれない。
こないだ、なんで大好きになれないか、ビールを飲んでて気がついた。
ビールは宿から歩いて30分のところにあり、店の前面は金網が閉じられ
ヒッソリと営業している。その街ではこの店しかないのである。
酒類はその金網越しに販売される。

そこで仕入れすぐに栓を抜き、ビールを煽った。
すると店員が建物の裏に回って飲めという。
インドではあまり表で公然と酒を飲むのが認められていない。
そこで、建物裏に行くとゴミだらけの草むらがあり、数人が腰を下ろして
酒を飲んでいる。
僕は草むらの一番奥に進んだ。すると湿地があり水面が夕暮れ前の
太陽の光を反射していた。

その湿地も残念ながらゴミだらけだった。
その時ビールを飲みながら、河や湖や海や水辺や水の音のするところが
大好きな僕にとって、ゴミだらけの水辺はとても嫌いと感じた。
そして酒好きの僕にとって、酒を飲むのにこんなにこそこそとゴミの
中で飲まなきゃいけないのも、いやだなぁと感じたのだ。
せっかくの昼間のビール、きれいな景色の中で爽快に飲みたいものだ。

インドで思ったのは、「インドはアジアではない。インドはインドでしかないのだ。」


またいつかこのインドにやってくるだろう。きっと変わらないインドに。


0 件のコメント:

コメントを投稿