ダブリンの天気と庶民の行動は理解しがたい
ダブリンの天気は毎日「曇り時々雨または晴れ」みたいな感じで
いつも空はどんより、あとは気紛れな感じでよく変わる。
ギネスビールのストアハウスが唯一の観光地みたいなダブリンは
どこも無料の国立系の博物館と美術館を毎日めぐって後にした。
ダブリンの人たちは、イギリス人とは違って対応がフレンドリーで
気性も明るく感じられた。
安宿のスタッフは、僕たちにいくら説明しても通じない英語をあきらめて
ノートパソコンを持ち出し、グーグル翻訳を使って説明までしてくれた。
また、スーパーマーケットで買い物していると、「ジャパン?ジャパン?」
と「ジャパン」をピンポイントで聞いてきた。
「そうだ」と答えると嬉しそうに
「ハルキムラカミハルキムラカミ」と念仏のように話しかけてくる。
「あ~村上春樹か~」というと、うれしそうに「イエスイエス」といって
嬉しそうに立ち去っていったおじさん。いまだに謎だ。
番外だが、宿でテレビばかり見ている初老のおじさん。
僕は勝手に彼を「テレビ番長」と名付けた。
彼は宿のコモンルームにあるテレビをこよなく愛しており
コモンルームに入り浸っては、テレビのリモコンを手放さず
テレビに一番近い席を占拠し、見たくない人聞きたくない人にも
十分聞こえるくらいの大音量でテレビの存在感をアピールする。
ある時、僕らはコモンルームのテレビに一番近い席でネットをしていた。
今までいなかったテレビ番長が現れ、即座にテレビリモコンを奪取し
テレビを付け、ボリュームを上げた。
僕らは気にせずパソコンにかじりついていると、テレビ番長がすぐ横に座り
しばらくすると離れていく。すると何やら臭い。
また近づいてきては離れていく。するとまた臭い。
どうやら屁をこいて、匂いで自分の席を取り返そうという作戦らしい。
とても可愛いおじさんである。
もちろん僕らが席を変えたらすぐにテレビ番長は定位置についたのは
言うまでもない。
ダブリンは、今までになくファンキーな街だった。
浮浪者も多いのだが、最初に目にしたのは酒屋からいきなりダッシュする
浮浪者とそれを追いかける警備員だった。
さらには、教会の隣の公園と奥の林の鉄柵でしゃがみ込んで襟を立てて
注射器で何やらしている兄さんや、どう見ても少年達が瓶ビールを
ラッパ飲みして奇声を上げていたり。
とにかく理解しがたい方たちなのである。
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