2011年2月9日水曜日

やっとたどり着いた楽園

僕らはクラビという街のアオナンビーチという所に宿をとり
毎日プールか海で泳いだ。
毎日100m以上は泳いだ。
泳ぎは学生のころから苦手だったが
とにかく何を目指すでもなく毎日泳いでみた。
上腕二頭筋や肩や仕舞いには胸の筋肉まで筋肉痛になった。
頭を空っぽにしたかったのかもしれない。

旅の途中に何故か何度も出てくる少年時代の光景。
車窓からの景色を眺めながら、小学校時代や中学校時代の
級友の姿とフルネームが出ては、他の級友が出てきたり
思い出の断片が何度も出てきた。
旅の途中、ずっとである。

夢にまで出てきた級友までいる。
僕の頭の中で何が起きているのか?
夢は記憶の整理をしていると、聞いたことがある。
僕は起きながら寝ながらにして、頭の中をスキャンして整理しているのだろうか?
しかし不思議と小学生低学年時代と高校生時代以降は出てこないのだ。



どんどん体中が日に焼けていく。
毎日がほとんど全裸に近い日々。


人生の中でこんなにノンビリした日々を送ったのは初めてだし
これからも、もう無いような気がする。

数々の映画の舞台になったピピ島には既に中国人が
あちこちに遊びに来ていた。
日本がバブルのころに、あちこちのリゾート地や観光地に
日本人が溢れ、ブランド品を買いあさってひんしゅくを買った光景が
もうすぐ中国人によって再現されるだけのことだ。
時代は間違いなく変わっていっている。

世界で10本の指に入るキレイなビーチと言われる
プラナンビーチにはさすがに中国人はまだ侵食していなかった。
その代わりに、有難いことに西洋人のトップレス姉さん達が・・・。
と思ってたら、おばさんも、いやおじさんももう判らないような状態で
浜に打ち上げられた焼豚のように、ほぼ全裸の肉体達が並んでいた。

ここはマリンスポーツすら禁止されていてノンビリできる。
しかし、引き潮時はキツイ。
遠浅なだけあって、どこまでも泳げる場所が見つからない。
入水自殺などもってのほかだ。
普通に隣の島まで歩けてしまった。

クラビはプーケットと違い、年齢層が高い。
だからとても静かといえる。

僕らが滞在した宿は、もう老人ホームかと思うくらい
西洋人の老夫婦が多く、プールも
生きてるのかどうなのかわからない、お婆さんの干物みたいな
ご老人達がプールサイドで天日に干されている。

ゆっくりできたので、色々なことを考えられたし
かなり頭の中をデフラグできた。

何しろこの旅で同じ宿に12連泊は始めてのことだ。
いや、人生で始めてのことだ。
日本からならプーケットまで直行便で来て
バスで3時間のここは、色々なことを考えたり
とにかく休んだりするには、静かでかなりお勧めできる場所だ。
宿も二人で6000円弱とリーズナブルだった。
(宿のアクセスはちょっと難ありですが)


ぼちぼち体も鍛えられたし、食べ物も屋台でコウモリとか
カブトガニとか変な物食べられたし
なかなか充実した日々を過ごすことができた。
体中真っ黒に焼けて、健やかなること農夫のごとし。

心身ともに健やかとなり、旅の疲れを癒した僕らは充電を完了し
猥雑なバンコクに向かうのであった。

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