シリアの人たちは人懐っこい。
イスラムの人たちは写真を撮るなと拒否することが多いが
ダマスカスでは「撮ってくれ」と寄ってきたりする。
これは時代の変化というよりは、携帯電話の普及により
デジカメで写真を撮ることが日常的習慣になってきたからではないだろうか。
人については前回も書いたとおり、とにかく親切なのである。
これは、まず忘れられない。
では、食べ物はどうよ?
実は二度と食べたくないものに当たった。
地元の人しか通らないような商店街で見つけたお店。
店先には羊の頭のストリップが整然と並べられている。
面白そうだから入ってみた。
注文の仕方がわからなかったので、ある程度店の人に任せた。
スープはいるか?と。肉を鍋で炊いたまるで豚骨スープみたいなもの。
これは食べたいと思って頼んだ。
これがまずかった。というか、その獣臭たるや。
羊肉は大好きで、その獣臭も含めて好きだったのだが、これはキツイ。
味も塩気が少ないうえに、何故か酸味がキツイ。
2杯注文しないでよかった~。
大概のものは食べられるが、これだけは二度と注文したくない。
忘れられない。
ちなみに手づかみで食べる肉類(どこの部位か不明)とパンはなかなか。
この国のスイーツはなかなか美味い。
何しろピスタチオが安いのか、トッピングに結構使っているのだ。
僕はピスタチオが大好き。
スポンジケーキの下に塩気の少ないチーズがあり、蜂蜜をヒタヒタに
なるくらいかけて食べる。
しつこくない甘さとチーズのまろやかさと塩気が丁度いい具合なのだ。
このスイーツを地元のおっさん達が並んで食べるのである。
アイスもみんな食べ歩き。ピスタチオがこれでもかってくらい
トッピングされているのである。
B級グルメに入らないくらい、チープで露店の食べ物はコーン。
茹でトウモロコシはイスタンブールでも露店で盛んに売られているが
シリアのはちょっと違う。
茹でトウモロコシの実の部分だけその場で削いで
それをステンレスの鉄板の上でバターとマヨネーズとスパイスで
和えるのである。これ、意外と美味い。
この他に意外だったのは、パンもしっかり美味かった。
そしてもちろんケバブも。チキンもキョウフテも。
持ち帰りでもちゃんと、ハーブ(西洋パセリやミント)と大根や
カブのスライスとレモンと青唐辛子が別袋についてくるんです。
しかも、わんさと。
下町を歩いていると、手工業の現場を見ることができた。
何を作るのも手仕事である。
鍛冶屋さんもあった。
金属を叩く小気味のよい音とリズムと飛び散る火花。
肉体を使ってモノを作り出す姿はとても見ていて気持ちがいい。
美しくもある。
しかし、資本主義社会というシステムの中ではいつかは消えてなくなるだろう。
生産コストを安くするため、人件費の安い生産地での製造、
そして合理化機械化による手仕事の消滅。
そして失業問題を抱えることになる。人間て何やってんだ?
いつも忘れてはならない。
シリアでは、パルミラ遺跡に行ってきた。
ここの夕日はとても柔らかかった。
シリアだけではないのだが、ヨルダンでもイスラエルでも
とにかくアラブで見た夕日は美しかった。
アラブに行ったら夕日を見よ!である。
忘れないでね。
僕はまたこのシリアに行きたい。忘れない。
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