2010年9月1日水曜日

もうひとつの移動方法

もうひとつの移動方法

この2週間どこにいても、ずっと曇りか雨ばかりの天気だが
モン・サン・ミシェルで1日は奇跡的に晴れ上がった。
どうやらモン・サン・ミシェルのあたりの地方は、いつでも雨が多い地域らしい。

その次の日、相方が「ライトアップされたモン・サン・ミシェルを観たい」と。
ってことで、夜にモン・サン・ミシェルに行くことにした。
フランスの日没は午後9時過ぎで、モン・サン・ミシェルから宿へ向けた帰りのバスの最終便は8時40分。帰りの足が無い。
距離にして9キロ。徒歩で2時間前後だろうか。

電車、バス、フェリー、飛行機、トラム、タクシーと色々乗ってきたが
ここには何も無い。何しろこのポントルソンという街は凄い田舎なのである。
カルフールがあるが、7時半には閉まってしまい近所のショップも飲食店を除いて閉店である。夕暮れ前にである。

そこでレンタルサイクルを探そうということになった。

が、宿のマダムに聞くとこの街には「私が知る限りは、無い」とのことである。更には知り合いやキャンプ場など何箇所かに電話をしてくれ、やっと自転車2台を借りれることになった。
けど、「今夜の9時半には返してくれ」というのである。

それでは、モン・サン・ミシェルの夜景は見ることができない。
そのライトアップされたモン・サン・ミシェルを観たい旨を説明をしたらマダムがそれならと自転車以外の方法を伝授してくれた。

それは手をグーにして親指を立てるポーズで説明された。
そして「これがベストの方法だ!」と。
そっか~ヒッチハイクか~。と爆笑した。
マダムも伝わったのがわかって爆笑。

モン・サン・ミシェルへはバスで。帰りはヒッチハイクでという方法が決まった。

その日の昼間、偶然ポントルソンを散策していると二人の少年がレンヌ行きのヒッチハイクを試みている姿を目撃してしまった。
レンヌまでは車で2時間ほど。無茶だなぁ~と思いつつ心のなかで応援してみた。

夕食を終え、持参してたスケッチブックが初めて役に立つことに喜びを感じる。スケッチブックに極太のマジックペンで「PONTRSON」と書く。
そしてモン・サン・ミシェル行きの最終バスに乗るべく定刻3分前の9時27分にバス停に到着した。
しかし、定刻になっても10分待っても結局30分経ってもバスは来ない。
せっかく防寒の準備までしてきたのに、行くことすらできないではないか。

ってことで、行きもヒッチハイクすることに決めました。
スケッチブックに急遽「MONT SAINT MICHEL」と書き、無人のガソリンスタンド前で親指を立てて立ち続ける。
モン・サン・ミシェル行きの車の量よりもモン・サン・ミシェルから帰って来る車の量が多いのに不安を抱きつつ、待つこと15分。
「スペル間違えたかな~?」と思うほど捕まらない。
こんなに帰りの車が多いことを考えると、もしモン・サン・ミシェルに行けたとしても帰りの車がないことを考慮しつつ諦めかけた時、
「シャシュフォショシェシュフォショ?」みたいなフランス語で給油が終わったフランス人男性がスケッチブックを指さし声をかけてきてくれた。
はっきりいってよくわからないが、「メルシーメルシー」とか言って
車に乗せてもらった。

お陰さまでライトアップされたモン・サン・ミシェルを拝むことができました。

帰りはもっと簡単。
5分もしないうちに、マドマーゼルが停まってくれ乗せてくれました。
こういう時、わずか10数分とは言え、英語が喋れないので会話も弾むはずもなく、車内の沈黙は何とも言えないほど、気まずい雰囲気を醸し出します。

しかし、いつでも旅人にやさしいフランス人の方達よ、メルシィー。

もうひとつの移動方法。
またどこかの国で試してみよう。





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